FAQ(よくある質問)
ここに示されているのは、よく届く質問のいくつかです。もしこの中に、あなたの質問がない場合、いつでもお気軽にコンタクトのメールを送ってきてください。
A:あなたが選んだレース用のトレーニング・スケジュールがまず第一です。ピーク・パフォーマンス・プランのレースの距離としては、1500メートル、5キロ、10キロ、ハーフ・マラソン、マラソンがあり、期間は12週間から24週間です。毎日のトレーニングは、それぞれのスケジュールに記されています。それぞれのトレーニングには、詳しい説明が載せてあり、どのようにするか、何故そのトレーニングが必要なのか、そしてよくある失敗例などが記されています。リディアードのプログラムは、主として5つのブロックに分かれています。それぞれのブロックをこなすにつれて、あなたの基礎体力はレースに向けて進化していきます。それは各トレーニングのペースを見ていただくとわかりますが、毎回のトレーニングで時計とにらめっこするのではなく、リディアード・ランナーは、各トレーニングに対して、心拍数の幅も示しています。また、それぞれのトレーニングに知覚運動強度(RPE)も記してあります。これは、数字のみに頼るのではなく、自分の感覚を研ぎ澄ますのに有効です。また、1週間のうち毎日のトレーニングには、重要度も記されており、もしどうしてもトレーニングを抜かさなければいけない場合、どの練習を残してどの練習を省くか(数字が小さいほど重要=ナンバー1重要度)も示してあります。 それに加えて、Final Surgeトレーニング・ログのアカウントが得られます。多種にわたる機能がありますので、是非ご利用ください。そして毎日のリカバリー・インディケーターも提供しています。これは是非、できるだけ毎日活用してください。トレーニングは、それのみが大事なのでなく、それからいかに回復し、自分の血となり肉となっていくかが最も大事なポイントです。これはそれを知らせてくれる大事なツールです。
ピーク・パフォーマンス・プランの他にも、完走だけを目指しているあなたのために、完走目標マラソン・プランとハーフ・マラソン・プランがあります。これも、もちろんリディアードの基礎を重視しながら、完走できるだけの時間と距離を増やしていくプランです。上記の数々の機能ももちろん含まれています。期間は10週間から18週間です。これらのプランは、全て最低必要条件として、1時間気軽なペースで継続して走れること、があります。まだそのレベルに達していないあなたのために、初心者プランは、15分から1時間まで走れるようになるまでを懇切丁寧にリードします。初心者プランの期間は、あなた自身の年齢、体格(ボディ・マス指数)と性別を考慮に入れて、長くも短くもなります。また、現在15分しか走れなくて、初めてのレース(5キロから15キロまで)の準備をしたいと思われているあなたのために、12週間から20週間の間で、走行時間を1時間〜1時間半まで伸ばして、最後の数週間でスピード練習を織り込んで、レースの準備をしていく初レース用プランがあります。この両方のプランにも、上記の全ての機能が含まれています。まだレース経験のない初心者の方には、練習ペースを設定するために、オレゴン州の著名コーチ/生理学者、故ディック・ブラウン博士が開発した、「酸素摂取能力予想インタビュー」が、現在の一番適切な練習ペースを設定してくれます。
A:残念ながらその通りです。より長いプランの方が、より効果的に、より安全に、そしてより速いタイムが期待できるでしょう。人間の身体が完全に成長するのに20年かかります。トレーニングの成果というものは、1週間や1ヶ月で突然飛躍的な変化を遂げるものではありません。よりゆっくり、ジックリと負荷を増やしていった方が、より安全に、より効果的に身体が進化していく、ということは一目瞭然と思います。もちろん多くの人が24週間—6ヶ月も時間が取れない場合がほとんどでしょう。ですから、24週間取れない場合、どのようにして最も効果的なスケジュールを組むかを自動的にしてくれるのがこのプログラムです。しかしながら、特にフル・マラソンに挑戦しようとされている人は、できる限り24週間に近い期間取れるようにするよう強く奨励します。
A:一般に、ペースはむしろ遅い感じで計算されています。もちろん、まず言っておきますが、このプランは「経験に基づいた統計的レース-トレーニングの割合」で計算されています。言い方を変えると、マラソンをキロ平均3分で走るトップレベルのランナー達のトレーニング・ペースは、同じような割合で、大部分のトレーニングは4分半-5分で走っているはずです。もちろん、ここで示されているペースも、究極的には「ガイドライン」でしかありません。個人の状況に応じて、対応できるように、距離や時間同様、ペースにも「幅」が示されています。それでも、最終的には、自分の「感覚」が一番大事になって来ます。「ロング・ラン」は、スタミナ養成のためだ、ということをお忘れなく。それには「長く走ること」が大事になってくるのです スタミナの養成は、有酸素範囲のトレーニングであれば、全てのペースで効果があります。少しくらい速く走っていても、酸素負債状態に陥らなければ(無酸素でなければ)それで有酸素の効果があります。また逆に、どんなに遅く感じても、心拍数が90か100拍/分程度にしか上昇していなくても、それだけでも十分有酸素効果があるのです。
一般的に、特に昨今のマラソン・レースの真ん中部分を走っている人たちに限って、マラソン・レース・ペースとロング・ランのペースがあまり違わない、というパターンが多いように思われます。ほとんどの場合が、いつ、どんなペースで走ればいいのかわからないために、常に頑張ってしまい、その結果本番で疲れ切ってベストの走りができていない、という悪循環を繰り返すことになっているようです。正しいペースを設定することで、プレッシャーが取り除かれ、走りがより楽しくなるはずです。しかも、疲労回復も促進されるでしょう。トレーニングの原則は、ハードなランはハードに、しかしイージーなランはイージーであるべきです。イージー・ランをイージーにできない人は、ハードがハードになっていない証拠でもあります。また、走り込み期であっても、アウト&バック、そしてプログラムの後半になると、PCR、これらは一般に「テンポ走」として知られていますが、これらが必要な刺激を十分に与えてくれるはずです。これは、最後のコーディネーション期になると、タイム・トライアルとなって、よりレースに近いペースとなって行きます。
ペースが遅く感じる可能性のひとつとして、測定されたVO2 Max(最大酸素摂取能力)が、正確でなかった、ということが考えられます。特に昨今、「マラソンだけを走る人」たちが増えてきています。この場合、マラソンは、全力を出し切る「レース」というよりも、完走のみを目指した持久テストになっています。もしあなたがこのパターンならば、近くの大学のトラックに行き、そこを4周、必死で頑張って走る、というよりも、多少呼吸が乱れる程度の頑張りで走り、そのタイムを「1マイル」と換算して計算したほうが、より正確な予想値が出るでしょう。
A:このプログラムの根底にあるのは、「どうすればリディアード法のトレーニングをより多くの人たちに伝えることができるだろうか?」ということです。つまり、オリジナルのリディアードが口を酸っぱく言っていた「週に7日が最低条件だ」ということに反して、そんなに時間が取れない人たちーそれがほとんどなのですがーのために、いかにしてリディアードのバランスの取れたプログラムを応用するか、がチャレンジでした。それを基にして、私たちは週に4日、5日、6日、そして7日のプログラムを用意しました。もしそれでも全ての練習をこなせない人のために、練習重要度ナンバーを、週の毎日のトレーニングに記してあります。もちろん、多くトレーニングできればできるほど効果的ですが、そうでない場合でも、できる限り最大限の結果が出せるようリディアード・ランナーは考慮されています。
A:そんな心配の必要は全くありません! リディアード・ランナーは、あなたの現在のフィットネス・レベルに応じて、最も適切なリディアードのトレーニングの本質を適応するようにできています。週に100マイル走らなければいけない、というのは、恐らくリディアードの最もプピュラーな(?)誤解でしょう。彼自身、それに最も早く気づき、早々に「時間を基にしたトレーニング」を紹介しています。リディアード・ランナーは、それを考慮して、時間をベースにして組まれています。目安としては、週10時間のランニング(週7日走ると仮定して)、となるのですが、その総距離は、あなたのレベルに応じて、100マイル(160キロ)近くかもしれませんが、50キロかもしれません。それぞれのレベルに応じた最も適切な量/質のトレーニングを提供するという事実が、リディアード・ランナーを、恐らく世界で最もユニークなトレーニング・プログラムとしているのです。
A:それも誤解です。有名なリディアードの「マラソン・コンディショニング」、つまり走り込み期であっても、その時に応じたそれなりの速いトレーニングが含まれています(全てのトレーニングを正しく行った場合、です)。恐らくあなたのようにスピード・タイプのランナーにとっては、初めのうちは全てがユックリに感じるかもしれません。しかし、全ての筋繊維(速筋、遅筋共に)を鍛え、後半のトレーニングで、思う存分スピード練習ができる身体を築き上げることで、スピード練習をより効果的に、そしてよりエンジョイすることができるのです。リディアードの利点は、全トレーニング行程において、全ての範囲でのスピードを鍛える、ということです。前半にスタミナを鍛えることで、後半には、ほぼ全力でスプリントするようなトレーニングも導入されてきます。リディアード程スピードとスタミナを存分にバランスよく組み合わせたトレーニングは恐らくないでしょう。だからこそ、スケジュールの最後には、レースの全距離に渡って、できるだけのスピードで走りきれる能力が身につくのです。
A:残念ながら、一旦プランを購入されたら、故障や病気にならないように注意を払うのは、個人の責任となります。リディアード・ランナーは、最もケガや病気にならないような、最適な量と質のトレーニングを提供するようにプログラムされています。それでもついついやり過ぎてしまう傾向にあるランナーも多いと思います。そんな方のために、毎日のリカバリー・インディケーターに注意を払うことを奨励します。このプログラムには、想像以上のリサーチが取り入れられており、最も手軽で、かつ有効的な3つの要素が組み合わされています。それでも、非常事態が起こってやむおえない場合、お気軽にわたしたちに直接コンタクトして来てください。
A:この場合、まず集中すべきことは、故障を完治させることです。故障は、一般的に、何かを「やり過ぎた」場合起こるものです。そんな時、なくしてしまったトレーニングを取り戻そうと頑張り過ぎることは一番の間違いです!まず急がず慌てず、最初の1−2週間は、提示されているトレーニングの「幅」のうちの、少ない方をやるように心がけましょう。日々のトレーニングには、それぞれ「理由」があります。量は少なくとも、その「理由」さえ把握していれば、トレーニングの趣旨は成就されます。故障は決して「悪」ではありません。それは、実は、「頭」でわかっていないこと(トレーニングのやり過ぎ)を身体が教えてくれているのです。決して逆らわず、理にかなったトレーニングを継続してください。2週間もすれば、また軌道に戻っている自分を再発見するはずです。
A:半世紀も昔、ランナーたちは好きな時に(と言うか、「走れる時に」)走って、好きな時にレースをしてきました。そのため、「訓練期」というものがなく、いつ自分のベストの走りができるのか、全くわからない模索状態でした。それを一変させたのがリディアードでした。「訓練期」にジックリと時間をかけて基礎を築き上げると、より高いピークに上りつめることができるのです。逆に、好きな時に好きなだけ無差別でレースに出ていると、盲滅法の結果しか得られません。もちろん、「訓練期」であっても、アウト&バックや、PCR、タイム・トライアルといった練習を、提示されているペースをできるだけ守るようにして、走る度に自己記録を出そうと頑張るのでなければ、レースに置き換えることができます。大切なことは「コントロール」です。しかしながら、リディアード・ランナーのプランに従っている途中、これらの「練習の一環としてのレース」に参加して、自己記録を大きく更新した、という例をいくつも聞いています。 もし、今まで、ひとつのレースに向けて、本当の意味で「ピーク」をしたことのない方は、多少レースに出ることを我慢しても、その代償は十分報いられるものと思います。「ピーク」する、ということは、あなたのレースを全く新しいレベルに押し上げてくれる「マジック」があります。
A:全く同じ距離でなくても、一番近い距離であれば大丈夫です。20キロであれば、ハーフ・マラソン(21キロ)プランが最適でしょう。12キロであれば、10キロでしょう。リディアード・トレーニングの利点は、「生理学的にランナーが必要な要素は、マラソン・ランナーであっても、中距離ランナーであっても、同じである」ということです。つまり、レース距離が1500メートルであっても、「走り込み期」には、ほとんど同じような距離を走り込むことになります。逆に、マラソン選手であっても、スプリント・トレーニングをすることになります。「リディアード・ランナー」のプランが提示する毎日のトレーニングの「幅」というものを考慮すると、「近い距離」のトレーニングに、それほど大差はないのです。
A:本来であれば、リディアード・ランナー・リカバリー・インディケーターには、3つの要素全てが関連しあって疲労回復度を測定します。しかし、特に毎日体重の数字を目の当たりにするのはストレスが溜まると感じる方や、減量のために走る方には、きついかもしれませんね。そんな方には、「体重は、毎日ほとんど変わらないだろう」という仮定のもとに、毎日同じ数字を入力してください。幸い、睡眠時間を気にしたり、心拍を測定してストレスが溜まる人は滅多にいないでしょう!この二つでも、かなり忠実な疲労回復度を計ることができます。ただし、必ず毎日「同じ数値」を、体重として入力してください。
A:もし「ランニング・インタビュー」を、キチッと正確に答えれば、リディアード・ランナー が、自動的にスピードに重点をおいたプランを弾き出してくれます。これがこのプログラムの利点のひとつでもあります。また、走り込みの期間においても、ファルトレク、アウト&バックなど、その場で必要な「速い」ペースでのランニングも含まれています。必要とあれば、週に一度、それに75メートル程度の「流し」を加えてもいいでしょう。
A:リディアードのトレーニングの基盤となっているのが、長い距離/時間を走り続けることでスタミナを築き上げる、ということです。そのためには、当初できるだけユックリ走ることで、より長く走る方が(それも限度がありますが!)効果があります。よく、「2時間ユックリ走るよりも、1時間速く走った方が、スピードがある分より効果的だ」という意見を耳にしますが、生理学的に、効果が全く違ってくるのです。高校生の場合でも、もしあなたの息子が、90分ユックリ走ることができるのであれば、その方が(この時点では)60分スピードを上げて走るよりもより効果的なのです。1972年ミュンヘン五輪の1500メートルで銅メダルを獲得し、1983年のニューヨーク・シティ・マラソンで優勝(2:08:59)したNZのロッド・ディクソン選手は、リディアード・トレーニングで強くなりましたが、18-20歳の頃に、起伏の激しいクロスカントリー・コースとはいえ、25キロを3時間かけて走っていたと言います! もし60分がギリギリ最高の長距離走だ、というのであれば、それはあなたの有酸素能力をもっと伸ばす必要がある、ということを指しています。それは、特に10代の高校生で、より速く走ることに集中し過ぎて、結果長く走る能力の発達を怠った場合よく見られる傾向です。また、長く走り続けることで鍛えられる脚力というものも侮ってはいけません。日本のエリート・マラソン・ランナーは、まず「脚作り」と言って、長時間歩き続けることから始めることさえあるほどです。それは、スピードを上げて走ってばかりいては達成できないものです。そんな場合、例えばまずリディアード・ランナー完走ハーフ・マラソン・プラン*で、2時間走れる脚力をつけてから本格的リディアード・スケジュールを始めるのも良いかもしれません。リディアード・ランナー・プログラムを始めるにあたって、60分よりも90分、90分よりも120分走れる状態からスタートした方がより効果的結果が望めるのです。
*リディアード・ランナーのプログラムは、必要条件として1時間を継続して走れる、ということがあります。もし1時間楽に走れることがまだできていない場合、まず初心者プランで1時間走れるようになってください。完走目標プランは、ハーフの場合2時間、フル・マラソンの場合3時間まで、安全で効果的に距離/時間を伸ばしていくプログラムです。最後の数週間は「テイパー」、最終調整となるので、距離/時間を伸ばしていくリディアード・ランナー完走ハーフ・マラソン・プランの前半を利用して、まず基礎作りをすることも一つのアプローチでしょう。
A:あくまで力の配分を「有酸素」のレベル(会話を継続させられるレベル)に止めておくのであれば、本番の練習の前後に加えても何の問題もないでしょう。ただし、有酸素レベルを超えるような強度のランを付け加えるのはお勧めできません。一般的に、有酸素レベルの軽いランであれば、多く走れば走る程ランナーとしての成長にプラスになるでしょう。しかし、リカバリー・インディデーターの反応に、常に注意を向けておきましょう。リディアード・ランナーのトレーニングのパターンを見ていただくと、「ハード/イージー」のパターンを常に守っているのがお分かりになると思います。よくある間違いは、常に同じレベルの強度を繰り返し、身体に回復の余地を与えないことです。強弱のメリハリをつけることで、トレーニング効果は倍増するでしょう。
A:その必要はありません。リディアード・ランナーのプランでは、キチンと実行すれば、自己記録は必ず出る、という前提のもとにできています。それは、全体の流れの中で、徐々にタイムが上向きになって行く、ということでもあります。最後の数週間では、タイム・トライアルや、レースを使ったドレス・リハーサルも組み込まれています。そんなレースで、自己記録を一気に更新してしまったという例は、実はよく耳にすることなのです。それは、とりもなおさず、リディアード・ランナーで、初めてスタミナとスピードのバランスのとれた、プログラムを経験したからに他なりません。そして、最終目標レースは、その延長上に位置しているのです。5キロの目標レースで、2分近く自己記録を更新した例もあるほどです。プログラムを信じて、そのままのコースに沿ってトレーニングを続けてください。ただし、あまり気を良くして、プランの途中で、走るたびに自己記録を期待してしまうと、最後の目標レースで頭打ちになってしまう、という可能性があるので、あくまで目標を見失わないよう心してください!あなたの目標レースは、オリンピックの決勝レースだ、と思って取り組んでください。開会式の2週間前に出した自己ベストのほうが、金メダルのチャンスよりも大事だ!なんて言う人は誰もいないでしょう。リディアードが有名になった最大の理由のひとつが、「本番にピークに持ってくる」ノウハウです。それがリディアード・ランナーに織り込まれています。一般市民ランナーも、オリンピック選手と同じくらい真剣に毎日のトレーニングに取り組んでいます。本番でも、それと同じ喜びを味わっていただきたいものです。
A:私たちのレース記録予想プログラムは、入力されたレース結果から計算される最大酸素摂取能力が基になっています。言い換えると、あなたが実際に走ったタイムから割り出された最大酸素摂取能力によれば、「これだけのタイムで他の距離を走れる可能性があります」と言う意味です。仮に、あなたの5キロのタイムに比べて、マラソンの記録が著しく劣る場合(天候やコースを考慮に入れて)、スタミナに問題がある、走り込みが足りなかった、脚力が鍛えられてない…などの理由が考えられます。逆に、マラソンのタイムに比べて5キロの記録が劣る場合、スピードに欠ける、酸素負債状態に絶えられない、などの理由が挙げられます。前述の「練習のペースが遅く感じる」の章でも説明しましたが、マラソンばかりに集中する現代にありがちなランナーの中には、マラソンの「レース」タイムが極端に実際の「可能性」を下回っている人が多いと思います。我々は、一般的な奨励として、マラソンのタイムを使うよりは5キロ、5キロのレースを走ったことがない方は、最寄りの400メートルトラックを4周走って、そのタイムを「マイル」として入力することをお勧めしています。このご質問に関しては、「どちらか、高い方の最大酸素摂取能力を計算する方のタイムを使う」方が良いと思います。実際に走られたタイムであれば、「あなたが思っているあなたのリミットというものは、実はもっともっと上にある」と思っていただいて良いと思います。
A:ベストのプランは、年間52週間の間に2サイクルを行うことです(2 X 24週間、サイクル間に約2週間の回復期を置く)。しかし、現実問題として、レースとレースの間がちょうど24週間、というケースはほとんどありません。実は、これがリディアード・ランナーの利点のひとつです。リディアード・ランナーは、12から24週間の間であれば、どんな長さのサイクルでも、自動的に最適なプランを調整してプログラムを組み立ててくれます。
ゴール・レースの距離、レースの日程などによって異なりますが、サイクルのうちどちらかひとつが、他のサイクルより長くなるかもしれません。一旦ピークにたどり着いたら、そこから数週間から数ヶ月、レースを継続しながらピークを保つことは十分可能です。そのための「レースの週/トレーニングの週」を設定中ですが、まだしばらくかかります(スミマセン!)。それに加えて、リディアード・ランナーでは、シーズン間の「回復プログラム」、走り込み以前に、距離を伸ばしていきたいと思われるランナーのための「脚作りプログラム」も設定中です。最終的目標としては、これら全てを組み立てて、1年分(52週間)のプランを割引購入して、好みの上記のプログラムを自在に組み合わせている;つまり、リディアードのランナー達が実際にやっていたプランニングをできるようなプログラムです。 サイクルが終わった後、一旦有酸素の基礎作りに戻ってれフレッシュすることさえ忘れなければ年に2−3サイクルを続けて行きながら、年々「土台」を大きくして行くことで、あなたのタイムは段々良くなって行くでしょう。
年間(52週間)のパターンとしては、次のような組み合わせが考えられるでしょう:
1. 一般のケース:20週間 - 16週間 - 16週間
2. 室内競技のある高校、大学 (アメリカの場合) : 24週間 (屋外競技) - 16週間 (クロスカントリー) – 12週間 (室内競技).
3. 夏レースに集中して、秋のマラソンに出る:24週間 - 10週間 (「レースの週/トレーニングの週」を使ってレースを継続する) – 18週間(秋のマラソン)
「レースの週/トレーニングの週」は、現在設定中です。これを組み込むことで、レースまで12週間以上あれば、ピーク・パフォーマンス・プランを、12週間以下であれば、「レースの週/トレーニングの週」を繰り返すことで、思っているより長い期間、ピークを保つことができるでしょう。
A:それはあまりお勧めできません。リディアード・ランナーは、練習と練習の組み合わせのバランスを考慮して組み立てられています。音符の前後を入れ替えれば、その曲は全く別物になってしまいます。それと同じことで、ロング・ランの翌日にアウト&バックを行うのは勧められません。
リディアード・ランナーは、土曜日、日曜日、月曜日と、ロング・ランのチョイスがあります(月曜ロング・ランは、週末は家族と忙しいという主婦の皆さんのために設定しました!)。いつロング・ランを始めるかで、その後全てのトレーニングの組み合わせが変わってきますが、リディアード・ランナーが、それを自動的に調整してくれます。ロング・ランが1日ずれても、最終目標(レース日は土曜日か日曜日)がドンピシャリに来るのもリディアード・ランナーの臨機応変さです!
A:リディアード・ランナーが目指しているのは、いかに有効的にランナーとしての準備をしながら、故障の原因となるような「やり過ぎ」のトレーニングを避けることです。「これをしなければいけない」と思い込んでしまうことで、トレーニングはこなしたものの、筋肉痛、疲労骨折、腱の炎症、などのために、結局スタート地点にさえ着けなかったというランナーを知っている人が何人いるでしょうか?「これをすればサブ-4達成できる」というトレーニングを書くことは簡単なんです。しかし、あなたにとって一番大事なポイントは、それがあなたにとって「正しいトレーニング」かどうか、なのです。リディアード・ランナーのマラソン・プランで、一番長いランの時間は2時間45分です。現在のレベル(最近のレース・タイム)に基づいてトレーニング・ペースが計算されるので、時間 ÷ ペースで、自動的に距離が出て来ます。その時間内で35キロを走ろうとすると、3分42秒/キロのスピードで、「心地よく、会話をキープできる」感覚で走れなければなりません。しかし、6分52秒/キロでトレーニングする人であれば、35キロ走には4時間かけることになります!それでは、筋肉、骨、腱、靭帯にかかる負担は計り知れないものがあります。逆に、そのペースで2時間45分走に止めておけば、走行距離は24キロにしかなりません。しかし、3時間を越えてしまうような走りは、特にビギナーの人にとっては、10分ごとに故障に向かって突っ走っていると思ってください。翌日、無理なく走れることができないようでは、その日(前日)のトレーニングは「やり過ぎ」だった、と考えてください。
リディアード・ランナーには、「完走目標プラン」というのもあります。これは、タイムを度外視して、とにかくゴールにさえたどり着けば良い、と考えている方にもってこいで、フル・マラソンであれば3時間、ハーフ・マラソンであれば、とにかく2時間まで走れるようにするのが目的となります。ランナーとして、指導者としての経験から、最長時間でそれくらい、距離であれば、本番の半分が走れれば(フルなら21キロ、ハーフなら10キロ)、本番ではなんとか完走はできる、と考えます。逆に、やり過ぎてしまうと(昨今はこちらの方が多いようです)、脚がこわばってしまい、むしろ本番の方が遅くなったりする場合もあるほどです。「心身共にフレッシュなコンディション」のマジックは、計り知れないものがあります。また、リディアード・ランナーでは、「テイパー(=Taper)」と呼ばれる最終調整もキチンと含まれています。十分にやるべきトレーニングを行ってきた場合、最後の数週間は練習量を落として行きながら、軽い刺激を含めるだけで、本番に向けての活力が溢れてきます。
最長ロング・ランが短いと感じる方には、まず、リディアード・ランナーの5キロのプランを試すことをお勧めします。リディアードは、よく、トレーニングにおいて「全てが重要だ」と言っていました。それは、5キロでも長距離走が大事だ、マラソンでもスピード練習が大事だ、ということを指します。昨今の一般市民マラソン・ランナーは、「30キロ」、あるいは「40キロ」という距離を追うことばかりを念頭に置いてしまい、「スピード」=「効率良い走り」を疎かにしているのではないでしょうか。5キロを32分で走る人がリディアード・ランナーの「完走目標プラン」で3時間走を行うと、24キロ走ることになります。その同じランナーが、サイクルを全て消化し、ヒル・トレーニングで脚を鍛え、インターバルで走りに磨きをかけて、カット・ダウンや50/50で、ほぼ全力疾走することを学んで、5キロを28分にまで伸ばしたとしましょう。そうすると、同じ3時間走が27キロ半になります。これが、われわれリディアード・ランナーが言うところの、本当の意味での「ランナーとしての成長」を意味するのです。